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小説「怪異談 忠臣蔵」02

小説

怪異談 忠臣蔵

〜ゾンビが出てくるやつ〜

 

この作品はフィクションです。文中に出てくる名称と、実在の個人名、団体名とは一切関係がありません。

 

(2)

 

 侍が血のついた槍を横に軽く払うと中間は、気を取り直して懐紙を取り出した。

 中間は手覆をつけている。

「そういえば先ほど、ふたりほど、町人と擦れ違いましたが」

「お囲いを見に来た野次馬だ。三人連れかと思うておったら、此奴があのふたりに忍び寄ってきて、危ないところだった」

 侍は死骸を見下ろしたまま、急に笑いだし

「フフフフッ町人め、こいつを恐れてではなく、俺を辻斬りと間違えて、横っ飛びに逃げて行きおった。酒に罪は無いわい」

「…さようで、ございますな…」

 差し迫ったときでも、こうして砕けた態度でいられるこの侍を、中間はたいがいの場合「性根が座っていて、すごいな」と思ったものだったが、何割かはいつも呆れていた。

 この日ときたら、いまのような生きた心地のせぬ、睾丸(きんたま)が縮み上がるようなことが立て続けに起きていて、中間はとびきりこわくてたまらないでいる。

 こわばった笑顔を精一杯に作って、侍に向けてから、つきだされた刃を紙で挟み、両手で注意深く拭いを掛ける。

 

 侍が懐から呼子を出して吹くと、間もなく灯りがいくつもやってきた。

 その侍に似た風体の男がひとりと、役人風が何人か。総髪の男。それに突棒を持った三〜四人の番太だ。

「高田うじ!」

 駆けつけた、同じ火事装束風の男が叫ぶ。

 こちらは鮮やかな朱鞘の大小を、たばさんでいた。

「やったのか」

「うん。…生け捕りにしたかったがな。町人が襲われそうだったので、よんどころなくやっつけた」

 実は「なんとなく」退治してしまったくせに、高田というこの侍は、ちょっと誤魔化して伝えた。

 殺したのは捕縛して、しかるべき場所に戻さなければいけないというお触れの出ている、公的には便宜上「病人」とされている者であったのだ。

 いま駆けつけた、同じ黒装束の男が興奮気味に言う。

「えらいことになったぞ。やはりほうぼうの塀が壊れておってな。長屋の戸が開け放しになっておった。此奴らは、そこから逃げたのだ」

「壊れていた…?」

「我らが到着してからこれまで、とっ捕まえたのと、こいつを入れて十人ほどだが」

「安兵衛。それでは、ことによると何百と逃げ出しているかもしれないぞ」

「それさ」

 火事装束ふたりの会話を聞いていた、役人風の男たちが

「滅相な…」

 と、途方に暮れたように長嘆息して、周囲にきょろきょろと目を配る。

 高田だの安兵衛だのと言い合っている、火事装束風の男ふたりは、播磨の国は赤穂浅野家の江戸詰の家来たち。

 これについては注釈をしなければいけないが、後ほどお話する。

「たしかに。いま詰所で帳面を調べておるところですが、囲っておったものが、いまは半分ほどに減っておるかも…と、内所が言っておった…」

「ばかな」

「半分とは穏やかではないぞ」

「左様。ここには千人ほど収容されていると聞く。五百も逃げ出していたら、これまでにもっと、そこいら中で見つけているはず」

「いや…、おるぞおるぞ。それ、あれに見えるのもそうではないか」

「ああ。さっきから見て知っている。それ、あそこにも…」

「まことにハヤ…長い時をかけて少しずつ逃げ出したようで。面目次第もござらん」

 医者らしき総髪の男が、申し訳無さそうにうなだれた。

 そこに安兵衛が

「くどくは言いたくはないが、近頃ここを犬屋敷と思うて、米を泥棒しようと曲者がずいぶん入っていたというではないか。それを一体どのように用心していたのです?」

「いやまったく、うつけなことで汗顔の至り」

「ただ、実に巧妙でして、見張りも襲われてしまって、いままでよりたいへん悪質。おかげで見つけるのも、すっかり遅くなってしまった次第で」

「これは物盗りなどではござらん。賊はコレがたくさん逃げ出すのに、どこをどう壊せばよいかをわかっているふうでしてな。塀や壁を壊して忍び入るというのは、これまで聞いたことがない」

「では、逃したと言うのか?わざと」

「逃してなんとする」

「いやそればかりはなんとも…。ただ、要害を知らずに忍び込んで狼藉を働くものは、たいていは、連中に襲われるものなんですが、此度はそれも無く…」

「いずれにせよ、たまたま今日はあなたがたが立ち寄ってくださったおかげで、随分と助かりもうした」

 考えもよらない重い罰が、あとで待っていると覚悟して、医者も屋敷の警備をしていた当番の役人たちも気鬱になっている。

「ともかく手分けして、見まわりを続けましょう。」

「キリがありませんから、これからは、こいつを見つけても呼子でいちいち集まらなくてもいいでしょう。見つけたものがその場で処置をする。よろしいか」

「捕まえるときは高手小手にして、捕縛を心がけていただきたいですが、とっぷり暮れれば相手のほうが有利になります。やむを得ない場合は足だけでも」

 と、安兵衛。

「心得た…」

「では、おのおの燈火を持たれいっ」

「われわれも、もうしばらく付き合いましょう」

「かたじけない。よし、じゃ、参るとしようか…」

 集まった者達が、気重い足取りで、提灯や龕灯を持って思い思いの方向へ散る。

 何人かは先ほど、話し中に見つけた、遠くの人影に向かって走っていった。

 たったいま死んだ(?)、上唇の無い寝間着男は、手下たちによって御囲いのほうへズルズルと引きずられていく。

 首から木札がぶら下がっていて、そこには「米 上 馬 田中某 慶五」としてあるのが、提灯の灯りに浮かんだ…。

 それはこの男が、米沢藩上杉家の家来であることと、生年を示していた。

 

 

 

 

「やむなく…と言うは、どういういきさつだったのだ。郡兵衛」

 安兵衛という侍が、今度は砕けた呼び名で、あらためて高田郡兵衛に聴く。

 郡兵衛は、死んだ男が刺さっていた幹折れに、提灯の明かりを当てながら。

「どうだ。血がほとんど流れておらん。さっきのは取り憑かれてだいぶ長いぞ、安兵衛」

 と言って、まともに取り合わない。

 安兵衛は、中間の勝助を見やる。

 勝助は、自分に視線をもらってオドオドしながら、高田と同じあたりを「どれどれ」というふうに、とぼけづらで覗きこんでいる。

「さっきのは上杉家の者だ。向こうに納得の行くように、報告せんければいかんぞ。」

「言うな。お前、アレを未だに病人と思うてか。縛って塀の中に戻すのが、情けか」

「それは俺達の考えることではない。捕縛は決まり事ではないか」

「…馬鹿ッ正直にそんなことを言ってるのは、近頃お前くらいなものだ…」

「ん?」

「エヘン。もうよい」

 高田はこの安兵衛という友達と、言い争う気はさらさらなかった。

 考え方の違いがあるのは、わかっていることである。

「報告ならいくらでもするわいっ」

 

 塀の内側にいたのは、一千人あまりも収容されていると言われる、さっきと同じように様子がおかしくなった者達であった。

 犬などではなかった。  

 「祟りにあった(と、された)化身」の者達なのである。

 犬を保護するために、この半年ばかり前に大久保あたりに開設された、広大な敷地の犬小屋があったが、同じたてまえで作られた中野のここは、はなから犬のためのものではなかった。

 先述のように変異した者達の治療と観察、祈祷と扶助、場合によっては腑分け(御用解剖)を目的とした、御救い小屋も兼ねた総合隔離施設であったのだ。

 収容する長屋は、棟が武士と町民とに分けて建てられており、加えて治療の施設などがあって、ひとつの街のような規模になっていた。

 それを「犬小屋」と不自然なウソで公にしたのは、事件が深刻であったため、江戸庶民を脅やかさないよう取り繕ったからである。

 

 元禄の世では、医療に関心のあった将軍綱吉の庇護のもとに、怪現象を「病気のため」として隔離治療に励んだのだ。

 否、励もうとした。

 しかし成果は芳しくはなかった。

 そうしてこのところ、役人たちは治療のあてのないこの患者たちを、こまめにここまで運んでは、収容していた。


「見ろ。あそこにつったっておるのもそうであろう?」

「よしっ。それがしが引き受けたッ」

「斬るなよっ」

 それがいま、どれほどかは知れないが、一度に解き放たれてしまった始末なのである。

 

 

(つづく)

 

小説「怪異談 忠臣蔵」01はこちら>●

 

++++++++++++++++++++

〜解説〜

 

空前のパロディ小説。

次第に人名や団体名が出てまいりまして、まったくでたらめな内容なので、関係各位に於かれましては、あるいは不愉快に思うようなアレコレが(特にこれから)出てまいります。

ほんと、ご容赦ください。

 

さて、御囲いが壊されてなんか逃げ出す際に、見回り役人の数がどれほどなのか、壊された箇所がどのくらいなのか、だいぶ曖昧でございます。

 

あと、これはスマホよりPC版パソコン画面で読んでいただいたほうが、読みやすいかもと思いました。(行間とか)

 

今後ともご愛読をよろしくお願いします。

 

もりい

 

 

| もりいくすお | - | comments(2) | trackbacks(0) |
小説「怪異談 忠臣蔵」01

小説

怪異談 忠臣蔵

〜ゾンビが出てくるやつ〜

 

(1)

 

 江戸幕府開設から、およそ百年…。

 内に謀反を企てるものもおらず、外に辺境をうかがう敵国もなく、殷富繁盛、華奢風流を極めた、元禄時代。

 

 この物語は、人心の腐敗したその元禄時代に恐れられた、ある化け物騒ぎの、鎮静までのいきさつである。

 

 

 一 大序

 

「もがぁ」「がらがらがら…」「ううう…」

 十尺もあろうかという、どでかい塀の内側から聞こえてくるのは、乾いた大あくびのような、そうかと思うと低い嗽の音のような、人が呻いているような、そういう気味の悪い音だった…。

 その音色に、今日に限って、黒雲のように上空を飛び交う無数のカラスの鳴き声と、近くの溜池の水鳥の下賎な声とが風に混ざって、なんとも異様な調和を作り出している。

 それがもう、あたり一面にうるさいくらいに響きわたっていた。

 

 そのころの中野は、江戸府外の田園地帯で、それはたいへん淋しいもので、逢魔ヶ時ともなれば人っ子一人も無い。

 陽が沈んでも月の出は遅く、あたりは陰気に青黒く染まってきている。

 そのだだ広い原っぱに、塀に囲まれた、十六万坪とも言われる敷地に建てられた、真新しい建物が、ドーンと要塞のように広範と構えていた。

 それは「御囲い」と呼ばれ、江戸中の野犬が保護されている、…と、おおやけに言われている施設である。

 

 まことに不気味なこの景色に、酒を呑んで蹌蹌踉踉の千鳥足で、職人風のふたりが肝試しにやってきた。

「おおっあれだあれだ。ちんころ屋敷めっ」

「へえ。ずーっとむこうのほうまでつづいているなあ」

「なんだつまらねえ。壁があるだけじゃねえか。…よう、帰りが面倒だから戻ろ」

「…なあ兄弟…聞こえるか…ぜんたいありゃあ、犬の声かえ?なにか絞めてやしねえかね?」

「おお。いやだ、いやだ」

「…うちのじいさんが息を引き取る時に、痰をからめて、ああいう声を出していたよ」

「よせやいこん畜生。なあ戻ろってばよ」

「フン。息を引き取るどころじゃねえや。こっちは干上がってるってえのによ。お犬様ときたら、日に三度三度っつ、白い飯を、おめしあがりあそばしたてまつるっていうじゃねえか。たかが知れたちんころによぉーっ」

「シ!つまらねえことを怒鳴るなよ」

「むしゃくしゃするから、石でも放り込んでやろうか」

「よさねえかバカッ。あすこでさっきからお侍が、こっちを見てっじゃねえか」

「はてね。ありゃあオサムライか?見回りかしら。あんなところで一体なにを…」

 この当時は珍法の下、畜類が手厚く加護され、犬を悪く言うことさえも御用の目を憚らなければならなかった。

 だから職人の片割れは、酔った上での戯言で、いちいち役人に咎められるのは、まっぴらだと思ったのだ。

 五間ほど先の柳の下に立っていた、年の頃三十なかばほどに見えるその侍は、大小刀を腰に打ち込んではいたが、あたりまえのこしらえではない。

 黒いシコロずきんを頭にいただき、篭手や脛当ても厳重にして、陣たびに陣草鞋を履いている。

 火消し装束にも見えるが、小脇に穂がむき出しの、鍵付きの七尺槍を抱えていた。

 黒小袖にたっつけ袴の姿は、もう少し暮れたら闇に溶けこみそうである。

 その侍、職人風の二人をチラチラ見やりながら、右手首の篭手の紐を、もう片方の手と前歯で、器用に結びなおしていたが、

「ん?」

 と、なにかを見つけたかのように怪訝な顔色をし、張子の虎のように首を突き出して、目を見開いたり細めたりしながら、しげしげふたりのほうをうかがっていたが、ピタッと一点に瞳を定めたかと思うと、そのままつかつかつかっと近寄ってきた。

「おいおい、こっちへ来るぜっ!言わねえこっちゃねえやっ」

「エッヘヘ、どうかごかんべんを!酒が過ぎました」

 侍は町人たちに二間ほど近寄ったところで、やおら姿勢を低くして、槍を持ち替え突進してくる。

「ひい!お命ばかりは…」

 一人の腰が砕けた。

 ところがその侍は

「よれいっ!」

 と、大きく叫ぶとふたりの横をスッと通り過ぎ、いつの間にか彼らの背後まで忍び寄ってきていた、散らし髪で、乱れた寝巻き姿の男の胸のあたりを、槍の石付きで思い切り突き倒した。

「ミシッ」

 いやな音がして、素っ飛んだかと思うと男の体は、腐って幹折れした、小さな木に背中からしたたかぶつかった。

 男は悲鳴も挙げず、身悶えする素振りもない。

 すると間もなく、幹の尖った部分が「ズブリッ」と、背中から胸のあたりを貫いた。

 男のからだがズズズッと下の方へずれる。

「げええ…」

 ゲップのような音がする。

「ひえーっ」

 オタオタする職人たち。

 一瞬、寝間着の男はガクッと頭を後ろに倒したが、すぐまた三人のほうに首をもたげる。

「さてこそ怪物!」

 侍が大きな声を上げた。

「うへえ!」

「ひとごろしだあっ!」

 キリキリ舞をして逃げ出す、職人ふたりに

「待てっ!」

 侍は声をかけたが、酔っぱらいは

「あーばよっ。きーばよっと」

 と強がって、なんだかよくわからないことを言いながら、松並木のくらがりに消えていった。

 

 

 

 

 侍は寝間着男の胸ぐらをつかまえると、樹幹から体を引き抜いてその場に放り出し、バッタリと倒れた仰向けの男のうすっぺらい(穴の開いた)胸のあたりを、グイと踏みこんだ。

 また妙な音がする。

 倒された男は、ただひとつ「がらららら」と妙な雄叫びを上げただけで、あとは黙って朦朧とした表情を一切変えず、ただ踏み伏せられて、ゆっ…くりと、もがいている。

 苦痛に悶絶する様子が一切、無い。

 自分を踏みつけている足を、退けようとするでもなく、痩せ枯れた手足を、ただただ蠢かせているだけだ。

 虫けらを裏返しにした時の様子にも、よく似ていた。

「…やいっ…」

 侍はもがいている男に、上から声をかけてみるが、返事は無い。

 「犬屋敷」と呼ばれていた「御囲い」の中では、世間では約六百万頭の犬が飼われていると言われていたが、塀の内側からは、この一連の不審な声や物音に、犬の子一匹の咆哮も無かった。

 この乱暴ないきさつとは裏腹な、不気味な静寂の中で、相変わらずか細い無数の呻鳴り声だけが、塀の中から聞こえている。

 

 そこへ塀伝いに提灯を持った、この侍の中間(ちゅうげん)らしき中年男が駆け寄ってきた。

 中間は主人の足の下で、虚空に溺れている怪人の様子に、一瞬たじろいだ。

「あっ旦那様!?」

「おお勝助こっちだこっちだ…。お前が灯りを持ってくる間に、またひとりとらえたぞ」

「返り血は?」

「なんの浴びておらん。そいつを当てろ。震えるな」

 中間は提灯を差し付けると、倒れている男の顔を見て

「ううわッ」

 と、思わず叫んだ。

 その落ち窪んだ目はカッと見開かれ、真っ赤に充血し、黒目は濁り、ギョロギョロと焦点が定まらず、顔色は血の気が失せて、肉は落ち、頬骨は高く現れている。

 乾ききった灰色の肌には、顔と言わず腕と言わず、ところどころに緑色の粉らしいものを吹いている。

 どうやらカビである。

 口もとに、かさぶたらしきものがウヂャけていた…かのように見えたが、実は鼻の頭あたりの皮から上唇そのものが、ごっそりと剥がれてしまって、無い。

 ところどころ抜けた上の歯が、歯茎とともに剥き出しになっていた。

 この容貌からは、歳のころがさっぱりわからない。

 中間のほうを見ているのか見ていないのか、提灯の灯りをちょっと気にしているふうにも見え、首をグラグラユラユラ振り回していたかと思うと、自分の胸元を踏んでいる侍の足に、隙を突いて「喰らいつこう」としているようにも見える。

「カプッ」

 と、間の抜けた、歯の噛み合わさる音がする。

「どうだ勝助。こいつはまた気味が悪いのう」

「ふう。まちがいなく変化(へんげ)のものでございますな」

 と中間・勝助は怖気ぶった。

 はじめこそ、好奇の目で穴のあくほどジッと見下ろしていた侍であったが、そこへブンッと飛んできた蝿が一匹、倒れた男の歯茎に止まる。

 すると侍は、なにやら哀れに思ったのか(はたまた不快に思ったのか)、表情を硬くして槍を取り直し、灯りをたよりに倒れた男の真眉間に、慎重に切っ先を定めるた。

「うんっ」

 と言って、侍はまっすぐ突き通す。

 宙を泳いでいた男の手足が、ベタリッと地面にへばりつき、男の動きがすっかり止まった。

 中間が目をそらして小さく念仏を唱える。
 近くの栗の木が、風を受けてサラサラ言っている。

 

(つづく)

 

+++++++++++++++++++++

〜解説〜

空前のパロディ小説、いまここに解禁。(笑)

こんなプロローグで、ど〜忠臣蔵になっていくのやら、でございます。

後輩と話してて「それ、いいね!」と思った、ある1場面。いつか出てまいりますその場面のために、前後ををふくらませております。

 

今後とも宜しくお願い致します。

 

 

 

| もりいくすお | - | comments(4) | trackbacks(0) |
台湾忠臣蔵

にーはお!

相棒の森井ユカさんが台湾(台北)にサテライトオフィスを構えたので、訪問がてら現地であたしの仕事の商品開発のリサーチやら、もちろん忠臣蔵モノも探しに出かけました(あるのかよ!)

ちなみに旨いものに目がないユカデザイン社さんは「地元民」と化して、わたしの滞在中毎日どのタイミングでもハズレ無しの店を紹介してくれて、胃袋を大満足させてくださいました。




▲朝飯は豆漿(トウジャン)の旨い店から始まり…



さて!
忠臣蔵のお話しの前に…
いま新正堂の渡辺社長様より、とある縁起物グッズのデザインのご依頼を頂いておるんですが、信心深い台湾では新旧の縁起物グッズが溢れかえり、出かけた4日間はお彼岸の連休ともあってあちこちで神様がらみのイベントもありリサーチにはうってつけでした。
とは言うものの、
やはりグッズ展開のデザインの多くはその国民の生活や慣習にのっとったものですし、なにより色使い自体は中華圏独特のものでありますから、おおいに刺激にはなりましたが、取り入れてどうこうという参考とは別でした。




▲神様グッズあれこれ。



話は横道にそれますが、台湾では(たぶん中華圏で広く?)実在した人物が神様になるパターンがいろいろございまして、今回行きませんでしたが三国志で有名な関羽が神様になって祀られてるお寺さんがある街の駅は
「忠義」
と言うんですな。
なっかなかイカした駅名であります。
忠臣蔵好きのあたしには「忠義」「忠孝」といった文字には弱い。
(特に泉岳寺のある駅名を「高輪ゲートウエイ」にされた忠臣蔵ファンの身としてはひとしお)
今度出かけた折はぜひ伺いたいでーす。


関係ない話でドンドンと脇道にそれますが…
城中市場という西日暮里と巣鴨を混ぜたような問屋街に行ったときの駅の出口が「ももいろのゼットで「忠」出口」ということを知ったとき、どれほど喜んだことか。
オタクって幸福のレンジが広くておめでたいですわい。








▲「忠義」駅のお寺と同じ関羽の神様を祀った
台北市内の行天宮さんは、商売繁盛の神様。




さて!

聞いてほしいのは
古亭という街にある骨董屋さんの話です!




▲骨董の殿堂



2棟を乱暴につなぎあわせて、その一階と二階に骨董品をぎゅう詰めに並べている骨董屋さん。
ここには思いのほか日本のものが多く(家具、人形、食器、書など)、奇跡的な発見があったのであります!






じゃじゃ〜〜ん!!!!!


さあ、こりゃなんでげしょう!?
体調約25センチ。
わたしには

大石内蔵助に見えなくもない。

これに出会った時はもう「おいおいおいおいおい」
と興奮しながらスマホを取り出しました。




▲銅雕人物 1800台湾ドル(約6500円)



しかしここはいったん落ち着いてちょっと細部を観てまいりましょう。
うやうやしく台座に仁王立ちですが、これは〜、お雛様の台座かなんかで間に合わせてる感じですかな?

ポイントはまずこの振り上げた右腕…




▲バチがすげ〜曲がっちゃってるけど!



討ち入りの形ならこれは陣太鼓を打つバチってことになりますね。
でも、先っちょにたんぽみたいのがついてましてね、
これがねー…
で、ご覧のとおり、頭に鉢巻でしょう?
はちまきぃ…かぁ…
お顔は小判形で、くすお好みの内蔵助タイプだけど。

それから、逆ですけど紋は二つ巴。
唯一、赤穂義士を思わせる特徴でございます。
だから左手に陣太鼓でもぶら下げていればねえ。
ところがなんにも持ってらっしゃらない。
それがあればもっと手がかりになったのですが・・・
いや、太鼓があれば即買いだわ。







でね、腹掛けをしていませんでしょ。
鉢巻にも金属の板がついてたりしていませんしね…
つまりね、闘う格好になってないんですよ。

こうなりますと、コレって
鉢巻きして興奮したマリンバ奏者のおっさんになっちゃうんですよねえ。







この、異様に丈の足りない袴は、股立を上げてると解釈できなくもないんですが…
んま、これもねえ…。

先輩方はどうお思いになりますか??


それから!


こんな出会いも!







赤穂十七義士遺髪塔のあります熊本県山鹿のとうろうが!
現地で買い求めますと3万円するところをなんと!
約4,600円にてお買い得!
う〜〜〜ん!…
めっちゃ欲しいけど持って帰るのは大変。


くすやに訪れてくださる海外の方はほんの少しですが、台湾はアメリカ〜中国〜韓国についで4位にご贔屓いただいてます。
忠臣蔵な戦利品は微妙?でしたが、食文化が異様に性に合ってるので、
また出かけます〜〜!

コーディネイトの森井ユカさんありがとうございましたっ!
新刊>「旅のアイデアノート」


<加筆>
ちなみに泉岳寺のおみやげで「銅雕人物」とくりゃコレがおなじみでして、んま、こういきたいですわねえ。
ポーズは似てるんだけどなあ。(画像はくすおのショーケース)
我愛台灣。
該鎮融合了新舊文化。
每個人都很善良。
食物很美味!
我喜歡日本的歷史劇“忠臣蔵”(忠義浪人)。
有一家名為“
藏舊尋寶屋”的古董店,距離火車站"古亭"僅幾步之遙。
我在那裡找到了一個罕見的娃娃
這與“忠臣蔵”有關嗎?
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平成最後の忠臣蔵トークショー



2019年春弥生…3月14日に!

 

NPO法人「江戸前21」さんの企画で

「最後の平成忠臣蔵※はじまりのはじまり」
というイベントに呼んでいただきました。







出演は江戸詰の赤穂観光大使三羽烏。
新正堂 渡辺仁久社長
講談師 若林鶴雲先生
もりいくすお





▲十年来の仲良しです。



あたしは先輩方とトークショーという形でMCを取らせていただくことにさせていただきまして、そうと決まれば打ち合わせが肝心と、事前に3人で集まって銀座のHOOTERSにて企画会議。
予想どおり、大事な話は2〜3分で終わってあとは周囲の風景に見とれながらただただ飲んでおりました。

さて、公演当日。
場所は新橋駅近くの元小学校。
「生涯学習センター ばるーん」
キャパ30人位でしたでしょうか。

あたしは討ち入り装束に着替えなきゃいけませんので早めに参りましたら、鶴雲先生はすでにご到着でお着替え中。ちょうど袴を履いているところです。
それをスタッフのおねえさま方がしげしげご覧になりながら
「良い袴ねえ」
「その縞はなんという名前かしら」

などとおっしゃりながら先生と談話中。

スタッフ控室と楽屋が一緒と聞いていなかったものですから、わたくし自分のスパッツ姿などみっともなくて見せられたもんじゃございませんので、おおそれながらと着替えるときのお人払いをリクエスト…
「着替えてくるもんだと思ったわ」
という退出しながらのご意見をいただき、「ごもっとも!」と自分の準備不足を猛省。
ほんとわがまま言ってすみません。




▲渡辺社長のお差し入れ



さて、まずは社長の「切腹最中誕生秘話」
…だったかなと。
実はあたしと鶴雲先生は控室にいて聴いてないんですよね。
「新正堂創業秘話」だったかな…(映像も録音も記録が無いのです)
ともかく、この日は浅野内匠頭長矩公のご命日でございますのでちなんだ話題。







いずれにいたしましても新正堂さんは内匠頭終焉の地跡にお店を構えていらっしゃいますし、切腹最中は長矩公の切腹をイメージした商品です。

なにより3月14日は正式な「切腹最中の日」!
廊下を挟んでドッカンドッカンとウケてる笑い声が聞こえてまいります。

そして
鶴雲先生は「刃傷松の廊下」をご口演。




▲いつにない迫力の一席。



最後は3人のトークショーですがあたくし開口一番で、かつて春風亭一之輔師匠から「忠臣蔵漫談」と名付けられた出し物をダイジェストでお目にかけました。
映画の栄枯盛衰と、内匠頭役者のいろいろベスト3です。

あたしの役者絵をご覧頂きながらの一席。




▲スライド準備のお手数をお掛けしました。



それから3人のトークショー。
我ながら
これが一番の見ものじゃなかったかなと。

あの日松の廊下でなにがあったと思うかについてや、なぜ討ち漏らしたかの推理推測などをいたしました。

鶴雲先生は武道も明るいので小サ刀のどの部分で斬りつければ確実か、など興味深い「殺人レクチャー」も。
こんなのどこの公演もやってないんじゃないかなあ。(あったらすいません)




▲「バットで言うとスイートスポット。
  刀にもソレがある。
  人間を斬るときは…」




松之大廊下の事件はいろいろ言われるところがあり、市川雷蔵がかつてインタビューで「演じてて内匠頭がアホに見えたらアウト」と言っていたのを紹介しながら、いろんな側面を持つ内匠頭や事件について。
また社長や先生がアンチの人からイチャモンを付けられたとき、どうしているかの対処法なども伺いました。

まあ、ともかく、投げかけた質問の回答はなかなか直球では返ってこず、みんながオハナシ好きなのでいろいろ盛り上がりました。

ありがとうございました!




▲打ち上げはスナックでカラオケ「刃傷!松の廊下」


お写真撮影…栗原さん。渡辺社長。主催の石山さん。ご提供ありがとうございました。

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衛星クオリティ


2018年のCS放送(衛星劇場、東映チャンネル)ではほんとにもう貴重な忠臣蔵映画が数々放送されました。
元禄あばれ笠〜浪曲忠臣蔵より〜」「元禄水滸伝」「四十八人目の男」「赤穂義士(大映版)(東映版)」「忠臣蔵 暁の陣大鼓」などなど!
ほとんど戦中戦後の作品でございまして、そういうところが貴重。

で、これがすごくクリアで綺麗なんですね。

東宝ビデオからリリースされていたビデオテープの画質と比較してみても歴然。
ちょっと「元禄あばれ笠」見てください。




▲ビデオテープの画質(部分)。


▲今回、放送されたもの。



この画像はテレビ画面をスマホで撮ったものですが、そんな環境でもクオリティの差は歴然。

もうひとつ。橋の上のシーン。これも部分のUPですが…




▲「まあ、橋だなあ」というシーンですが



▲人物がいるんですね。



まーとにかく、さらに感激なのは字幕がつくんですね(スカパー!の場合)。

新作の公開も待ち遠しいですが、古い作品をより良い状態で見ることのできる時代がやってきて、なんかもう生きていこうという欲が絶えません。



 
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