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小説「怪異談 忠臣蔵」05

小説

怪異談 忠臣蔵

〜ゾンビが出てくるやつ〜

 

この作品はフィクションです。文中に出てくる名称と、実在の個人名、団体名とは一切関係がありません。

本編には、暴力的なシーンが含まれてございます。
また、たいそう昔の設定なので、現代では不適切と思われる表現が含まれることもございます。
あらかじめご了承の上、ご覧くださいませ

 

(連載5)

 

 三 赤穂浅野家の活躍

 

 幕府が事の収拾に手間取っているさなか、特別な機動力を与えられて、のろまの捕獲や退治を奉書を以って命ぜられたのが、播州赤穂の外様大名・浅野家であった。

 ほぼ各地に広がっていたのろま騒ぎであるが、特に江戸ではほとんどの面積が武家地であり、大名屋敷が広大な敷地を占めていたことから、その対応は大名から動員されたのだ。

 

 天下泰平の元禄の世の中では、腕っ節よりも、勘定方に使える武士が重宝されたこの時代に、太閤秀吉時代から活躍している、武勇を誇る、猛々しい家柄の芸州広島の浅野家。

 大鬼の酒呑童子退治で有名な、源頼光と関係が深い、清和源氏の流れをくんでいた。

 その分家の中でも、とりわけ五万石の大名赤穂浅野は山鹿素行の兵法、軍学を尊んでいる。

 なによりこれまで、江戸府内においては火消し、城警備など幕府の用事を幾度も務めおおせてきた、輝かしく、勇ましい経験と実績があった。

「万事それがしへおまかせを願いたい」

 当主・浅野内匠頭長矩は、胸を張って下知に承知をした。

 外様が持ち回りでかかりを務めたが、品行方正と言われる赤穂浅野の働きぶりは、評判がすこぶる良かったものだった。

 

 しかしある日、内匠頭長矩も、憑依した。

 …と、内匠頭本人はそう思っていた。

 それは内匠頭が直々に、馬に乗って供の者と警ら中のことであった。

 槍持ちが、不意に現れたのろまに食いつかれたのを見て、側にいた家来がその場でのろまを無礼討ちにした。

 ズバッと肩先から斬り込まれたのろまからは、思いの外に大量の血が吹き出し、その家来はまともにそれを喰らい、馬と、馬上の内匠頭にも血しぶきがかかった。

 のろまの血が粘膜にこびりつけば、たちまちに憑依するのである。

 供の家来と周囲のものが、すぐにそばの用水で内匠頭らに水をかぶせ応急処置をしたが、抜き打ちをしたその家来は、憑依を逃れられず、すぐに変化した。

 内匠頭の愛馬も狂った。

 その様子をじかに見て、内匠頭は自分もそのうちに、ようすが変わるのではと心配を極めたのだった。

 それからたびたび、つむりが痛くなったり、腹痛を起こすことがあったが、それが憑依によるものかは不確かだったし、ついに内匠頭は、他者を襲うような乱暴は働かなかった。

 それでも内匠頭は、胎毒のような障りがあるのを恐れ、ついに事情を知らない妻のあぐりとの間には、世継ぎを設けなかった。

 

 憑依の疑惑に内匠頭が心を痛めているのを知っているのは、側用人で小姓頭の片岡源五右衛門をはじめ、当時警らに出ていた、ほんの数名だけである。

 彼らは殿さまと一蓮托生と思っていたので「おいたわしい」と、そばを離れず体調を見守りながら、神仏への祈念を忘れないようにして、警備の仕事を励んでいた。

 

 

 

 

 

 

●<小説「怪異談 忠臣蔵」04はこちら

小説「怪異談 忠臣蔵」06はこちら>●

 

 

++++++++++++++++++++

〜解説〜

 

空前のパロディ小説。

 

更新はだいたい、土曜日とか日曜日です。

 

どうぞごひいきに!

 

 

もりい

 

| もりいくすお | - | comments(2) | trackbacks(0) |
コメント
巷にあふれる刃傷原因説に、ゾンビウイルス説がくわわるのか?精神病説よりは説得力がある、かも知れない。
| ゆらおに | 2019/11/03 12:05 PM |

おにさん
んもぉ〜!ヘンチキ忠臣蔵擁護派のおにさんに、そう言っていただけたらもう、この作品はこの時点で浮かばれます。
(*´ω`*)
| もりいくすお | 2019/11/03 4:18 PM |

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