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最新ハリウッド忠臣蔵ルポ


何度かご紹介いたしましたハリウッド版忠臣蔵「ラストナイツ(仮)」
わけあって先日、試写を拝見する機会に恵まれました

まず、看板に偽り無し。
舞台は中世スタイルの架空の都市(魔法やドラゴンを抜きにしたファンタジーランド)だが、寸分たがわず見事に忠臣蔵!


公開まで未だ間があるので(日本は秋に公開予定)、内容のおうわさについては今後に持ち越しまして
「外国レビューじゃ、こう言ってるけど、モリイさんどうなの?」という
一足先に映画を公開してるアメリカさんのレビューサイト「IMDb」を全部見ながら、かいつまんであたし、聞かれてもいないのにおしゃべりさせていただきます

ともかく内容がちゃんと忠臣蔵だけに、外国の人のストーリーに対するご意見は、とりもなおさず「忠臣蔵物語」そのものへのご意見に相違ございませんで、ここらあたりが興味深い。



▲このポスター、クライヴ・オーウェンのヒゲ、盛ってるな?w



「最初と最後の20分はいいんだけど、その間がねー。」(所在不詳)
こっれは日本人との違いなのかなーっ!
ファンにはもう「いつものこと」なので「あいだ」をワクワク見ましたがw。
討ち入りやるのか、やらないのか?ご家老はなにをお考えなのか!
こりゃ、必須でしょう。

や、じつはね
忠臣蔵というのはそもそも「プロセス」が見どころで、
「壮挙よりも、その陰で苦しみ、悲しみ、泣いた人間の集積が人々の官能を揺さぶる」と歌舞伎の本にもあったし、そう思っていた。

ところがこの映画、途方もなく討ち入りがかっこいいんです。
だもんだから途中がアレな思い出になっちゃう人がいんのかな〜。


「アクション映画を期待していくと、知らないよ」(所在不詳)
と言ってるのもある。
ポスターがアレ(上記)じゃあねえ!
勘違いする人は出てくるかもな。
(ぶっちゃけ左側の合戦みたいなシーンはなかったような…)

さっき討ち入りを褒めたところですが、
本家よろしく全編チャンバラ三昧ってわけじゃないのです。
もとの「忠臣蔵」でもねえ、 ミフネ版とかじゃないとあんまり人死は出ませんしなあ。
なんか、すごくファンタジーを期待しちゃう人がいるようなんですね。
主君が黒人というところで「これは現実的な話ではない」とすぐ判断するようで。

そのレビューはこう結んでいます。
「でも、予測不能のグッド・ストーリーを楽しむならオススメです」
と。
この件
200年以上前に作られた「忠臣蔵」のストーリーラインは非常にベーシックなところがあるので、物語運びに新鮮さがないことをなげき、「cliché(クリシェ)=ありがち」であると切り捨てるレビュアーも少なくない。
「このベタさは"復讐映画ジェネレータ"というソフトで脚本が書かれとるな」(ブラジル)という皮肉ワロスww)
そんな中で、本作を「予測不能」と褒める人はお若い鑑賞者かもしれません。

日本人にとっておなじみなストーリーをつかまえて、あたしたちが「予測」うんぬんはいまさらアレなんですが、でもね、もちろんまるっきり私達の知ってる「忠臣蔵」とはいろんなところでアレンジが違うので、「そうきたか」な予測不能は楽しめますよ!



あと、この作品、特徴として多人種混合のキャスティングで表現される世界観なんですが、これについて私にはあんまり気にならない
「登場人物がそれぞれ東洋とイギリスとアメリカ一般的なヨーロッパのアクセントで、これが重苦しいいシェークスピアタイプのダイアログを話していると、超イラついて気が散ってくる。」(スコットランド)
なんて記述もございました。
ご愁傷さまです(笑)。

この設定は同時に、架空の文化のデザインにもおよぶんですがこれはおおむね評判がよろしくて
「ハイブリッド文化に重点を置き、アーキテクチャや衣装はオリエンタルタッチで古代ペルシャのよう。古風な雰囲気で豪華なセットです。」(インドネシア)
こりゃ、紀里谷監督の骨頂のひとつですな。
映像はいつも豊かなデザイン・センスを感じさせます。
(試写のときご挨拶した監督は、よれた肌着姿でざっかけないかんじでしたがw<好感)

逆に「中世の設定にしては…」と、各所の考証的なデザインに苦言を呈している人がいる。
「47ronin」のときに「こんなの日本じゃねえ!」って言ってたレビューを思い出す。
ファンタジーの有り様と、歴史感にいろんな異見があるのですねえ。

これは「剣術が非現実的」(テキサス州ほか)とするいくつかのコメントにも似てて
黒澤をリアルとし、東映時代劇を美しいとする二派があるのを考えますと、外国の人も近年はそういうの気にする人いるんだなあと。
んま、剣術が出てくるファンタジー映画とか多いから各自にいろんなイメージがあるんですかな。
非常に日本のチャンバラっぽいところがあるのは確かで、そう指摘してる人もいます。
「コレ、騎士じゃなくて忍者じゃん」(アフガニスタン)ていうのもありました。
ンま、気持ちはわかるけどあたしゃそうは思いませんでした。
「殺陣(たて)」っ中のはいろんなスタイルがあるものです。


満点をつけてるブラジル人のレビュアーが
「47RONIN(キアヌ・リーブスのそれでなく、溝口健二渡辺邦男の本物のほう)への言及とすばらしいトリビュート(賞賛)である。」(<渋いねー!この人!引き合いが乱暴だけどw)
と語ってて、
やっぱ忠臣蔵が好きな人には答えられなくて、ノンケの人に辛い点をつけられてしまうのは、どれほど換骨奪胎が成功できたかという結果を表してるのかもしれませんなー。

で、やっぱり忠臣蔵という原作を知らずに「47roninのコピーキャット(まね)」(アメリカほか)と言ってる人もいれば
いっぽうで「わたしは40〜50年代のサムライ映画が好きだが、この題材は「忠臣蔵」を原作として何度もリメイクされてる作品。それをわかってなくちゃ」(オハイオ州)って人もいる。



面白いなと思ったのが
「なんでモーガン・フリーマン(殿さま役)はいともたやすく地位や家族を捨ててしまう行動に出たのか?(刃傷のこと)」(ニューヨーク州)
って、う〜〜〜ん!!!出た!
この映画で、そこんところは説得力あったんだけどなあ!
やっぱ外国の人もそこ、来るかあ!(笑)

とまあ、かいつまみましたが
くやしいことにストーリーのウケがなあ・・

あたしが見てて、「ああ、このスピーディさは監督はだいぶ削除を余儀なくされたのだろうな」と思ってた前半が外国人には「テンポが良い」とウケがいいようで、お膳立てを必要としていない外国さんの感想とあたし達日本人の感想は、ちょっと違う気がいたじますぞ〜。


P.S.
今回レビュー見てて「冷血」とか「後味が悪い」とか、日本語と同じ表現を見つけて「へえ」と思ったものでした。


 
| もりいくすお | - | comments(4) | trackbacks(0) |
コメント
きちんと忠臣蔵なんですね。嬉しいですね。
秋の公開では、なんとか盛り上げてキアヌの仇を討ってもらいたいものです。ということでしぇあしちゃいました。
| ゆらおに | 2015/06/28 11:57 PM |

おにさん
いつもありがとうございます!
公開までこれからゆっくりご報告していきま〜す!
| もりいくすお | 2015/06/28 11:59 PM |

大ざっぱに言うと、西欧・北米で不評、東欧・アジアで好評だったように思います(違った?)。日本ではそこそこヒットの可能性も。
字幕は戸田さんの由ですが、吹替版のキャスティングはどうなってるんでしょうかねえ?

谷川先生の御意見もうかがってみたいですな。
| ゆらおに | 2015/06/29 7:00 AM |

あーっでも、そうかもわかりませんね!
そうくるとアジア大陸じゃないけど詳しそうなことおっしゃってるブラジルの人も日系人かもですな。

吹き替えは〜、無難なカッコイイところで落ち着くのでしょうなあ。
| もりいくすお | 2015/06/29 11:52 AM |

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