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もりいの紀里谷監督拝謁
 何度かご紹介いたしましたハリウッド版忠臣蔵「ラスト・ナイツ」
わけあってゆうべ、監督に謁見する機会に恵まれました

公開の11月までにいろんなインタビュー記事はあると思うが、

忠臣蔵ファンのインタビュー記事は

「忠臣蔵ぶろぐ」だけ!!!


というわけで、ご愛読ください。





試写を拝見したらともかくこの作品は見事に「忠臣蔵」。


舞台は人種と宗教の混ざり合っている中世スタイルの架空の都市。

「気温40度の中イ●ドでロケハンやってどこでなに撮るかもきっちり決めたのに、いざとなったらイ●ドの要求が最初の話と違ってきて、これじゃ撮影中なにをふっかけられるかわからない。
インしちゃったら後戻りできないしカネがかかりそうだったので、急遽プラハ(今度は寒い)で全部ロケハンやり直し。」
(以下、青文字は紀里谷監督の談)

最初からご苦労だったんですなあ。


脚本はカナダ人が書いたらしいが、初稿は「大石内蔵助」も「浅野内匠頭」も出てくる、日本が舞台の正真正銘の「忠臣蔵」だったそう。

紀里谷監督曰く、

「オリジナルの「忠臣蔵」の刃傷って動機が弱いんですよね。」

たしかに武士が侮辱に耐えかね、刃傷に及ぶ行程が上手に表現されてる作品は近年少ない。
あげく、アンチの方たちからはとかく「あんなところでキレて、浅野はおかしい」呼ばわり。

昔の忠臣蔵作品はその点、吉良上野介の悪党ぶりが徹底してたんで「殺していい」フラグが立っていたが、どうも最近は悪役の言い分や実在の吉良さんの人柄に気を使ってか、いろいろブレる。

「討ち入りの動機付けにしても、モーガン・フリーマン(本作の殿さま)にも腹を切ってもらうわけにもいかず(そんな慣習日本だけだから)、どうするか一番モメた。
剣を交えるという構想もあったがこれはやり過ぎということになったし。」


考えあぐねて、
殿さまの刃傷も、討ち入りの動機も申し分のない納得の流れになっております。
家老のクライブ・オーエンが復習を誓う「良い動機」にご注目



▲宣伝や配給の方たちと。
 まくしたててるのはもりいと新正堂ジンさんのみ



舞台を騎士道に変えるというアイデアは申し分ない。しかしそれならそれでどこかの時代の具体的なヨーロッパの設定には、なぜしなかったのだろう。

「マッチングし過ぎるとやりたくなくなっちゃう。
 もしそれで撮ってたら出来上がってない。」


日本の時代劇にもしない。
中世スタイルでも、どこの国でもない。

いつも「ちゃんとやらない」(良い意味でw)監督だが、またなんで?
今回お話を伺ってひざをうった。

「いろんな人種が一同に会すアイデアは周囲から非難轟々だった。
でもカタチにはこだわらない。興味が無いんです。
自分を殺してなにかのために犠牲になる精神はどの国の人も持ってる。
だから最終的に理解してもらえなかった奴はいなかった。

世界の心は同じなんだ。もっと理解しあおうよと。
多様な価値観が重要。
人種にこだわらないのをやって世界平和につながっていけばいい。

名誉を守るために彼らはなにをしようとしたのか。
それを日本の題材でやれたらいいなと思いました。
日本の作品を各人種全部でやれてよかったです。」


今回の世界観が妙にしっくり馴染めて忠臣蔵を見たカタルシスが残ったのはそこなんだと思いましたぁ。
「本質」を描いたことに味付けの成功の秘訣があった。

これまでの監督作品も独特の味付けだった。
「醤油ラーメンが食べたい」
って、こっちは言ってるのに極上のとんこつラーメン屋に連れて行かれるような気分になる。
美味しかったけど不満が残る。
それが監督作品を見た時の印象だと、ご本人に申し上げた。

今回は「おかわり」します。

海外のトレーラー見たときに(国外では4月頃すでに公開されてる)
何メートルも飛び上がるキャラが出てこないところでもう
「今度の監督は違うな!」と思った。
…と、ご当人にこれも申し上げた。


あとね〜
各人種の役者さんはもう、本当に演技が素晴らしい。
日頃映画を見まくってるわけではないあたしにはあんまりお見かけしない外国人俳優さん女優さんたちは、多くがアカデミー賞受賞者や候補者だそうでしてね!
見応えあったわけだぁ。
もともと忠臣蔵はオールスター共演が見どころ。
そそ。
オールスター(<演技面の、という意味と多民族という意味とで)とか腹芸とか、その他細かいガジェット等、監督が無意識にやったことがいちいち忠臣蔵ファンのあたしには刺さった

「見ていて、あ!絵図面取りだ!南部坂だ!と興奮して見ました」
と熱く語る、同じく試写を見た同席の新正堂のジン先輩に「そうですか」とにこやかに対応する監督は、取り立てて意識的に忠臣蔵ファンを喜ばそうとアレコレ仕掛けたのではないようである。
「必要」ということで監督が独自の判断で作品に入れていったアレコレが結果的に忠臣蔵ファンのあたしらに刺さるっていうのはもう、「持ってる」んですな。監督わ。この作品わ。


監督は泉岳寺もお参りに行ったそうで、本気。
宣伝のためならなんでもすると命がけであります。
及ばずながら、あたしも応援させていただきます。




▲監督ともりい。赤坂にて。

p.s.
プラハでを探すのはたいそう難儀だったそうだが、見つかった。
ということで、持ってるな、監督わ。この作品わ!!

 
| もりいくすお | - | comments(9) | trackbacks(0) |
コメント
ぶらあぼ!ぶらあぼ!
| ゆらおに | 2015/07/18 5:24 PM |

ぺこぺこぺこ!!!
(*´∀`*)
| もりいくすお | 2015/07/18 5:32 PM |

しつもん。
配給会社はどちらさまで?
「忠臣蔵」に言及しなくなった理由については、何か聞きましたか?
「月こそ替われ御命日」ということは、5週以上やらないと義士祭のころ終わってしまう計算になりますが、ロードショー館と期間についてわかっていることはありますか?
| ゆらおに | 2015/07/19 9:00 AM |

配給はGAGA(ギャガ)さんです。

メディアが「忠臣蔵」を言うか言わないかは書き手さん任せなんですが、広告にうたわないのはお客さんを限定しすぎてしまうのと、「ハリウッドで忠臣蔵」というと滑ってしまったアレを想起させてしまいマイナスイメージになりかねないから。
一番大きいのが、なんの知識もなく「ラスト・ナイツ」をご覧の女子がけっこう号泣なので、彼女たちに大きくアプローチするには「男のかっこよさ」を優先的に強調するのが効果的だろうと踏んでおります。

そっかぁ!1ヶ月以上は踏ん張っていただきたいなあ!
| もりいくすお | 2015/07/19 11:57 AM |

ふうむ、そうすると、忠臣蔵の書き換えであることを事前に喧伝しない方がいいんですかねえ。
| ゆらおに | 2015/07/20 12:12 AM |

いや、ここがいま一番悩んでるところだそうでございまする。
忠臣蔵ファンには是非見てほしいというのはあるんです。
こないだまでタイトルに「忠臣蔵」と入れようかどうしようかと迷ってたぐらいでして。

「忠臣蔵の書き換えであることを事前に喧伝」は必要とお考えなので、あたしなんぞを早めにモニターに参加させてくださったりして意見を色々聞いてらっしゃる。
あたしは積極的にブログをアップして応援しておりますわけで。
(^O^)
| もりいくすお | 2015/07/20 3:27 AM |

(つづき)
なにかよい知恵はございますまいかのう。

おにさんが外に出やすかったらまっさきにお声をかけておりましたが・・
月末とか、おでかけになりませんか??
(*´∀`*)
| もりいくすお | 2015/07/20 3:29 AM |

わあん、行きたい、行きたい。
が、看守の目を盗むのは難しい。子供映画だったら、むしろ歓迎されるんだけどね…。
あとはメールします。
| ゆらおに | 2015/07/20 6:42 AM |

おにさん
(ToT)
| もりいくすお | 2015/07/20 10:52 AM |

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