忠臣蔵ビギナーの皆さんのドアボーイ・もりいくすおがお送りする「ゆかりの地」散歩・茨城編。
後編をお届けいたします。
実は「忠臣蔵」にゆかりのある茨城県。
ドライブシリーズ後編は笠間にやってまいりました。
(最後に水戸も寄ります)
お父さん浅野長政がおさめていた茨城県・真壁を継いだ三男坊・浅野長重さんは(広島のご本家は長男さんが継いでる。)、大坂の陣で活躍を認められて加増。笠間の藩主となります…。
真壁を後にしたあたしたちは三左衛門さんの運転で笠間へ。お昼ごはんは笠間で予定しております。
ところで3人でドライブ行くときの、助手席と後部座席ってアレ、どういう人がどう座るのがいいんですかな。
前に高校時代の友だちのクシマに自動車乗せてもらった時に、あたしと森井ユカがふたりで後ろに座ってたら「なんだかおかかえ運転手みたいな気分だな」と言ってたので、なるほど失敬。「3人でドライブ」という感じが出ませんな。
あたしゃ実は後部座席がゆったりしてるんで好きなんです。日当たりから自由に逃げられるし(日焼けするそばから顔にシミが発生する)。
だからてっきりみんな、後部座席が好きなのかと思って、以前に日光江戸村とか行った時にAさんをうしろにうながしたんですが、こないだ吉良町をご一緒したときAさんは「前、いい?悪いね」つって、助手席がお好きなご様子でした。
「そっかぁ。ひとによるのだなあ」
後部座席のウイークポイントを想像すると孤独感を感じる人もいるのかも。こんどAさんに聞いてみようかな。
というわけで、特に希望のなかった女子のとわさんには道中、助手席に座っていただいてます。
さて
そんなことはともかくw、でかけた11月の笠間はちょうど菊まつり。
も「忠臣蔵の菊人形とか、あるかなあ」
と「毎年、菊人形はNHK大河ドラマが題材になってますね」
なるほどねえ。
んまぁ、そらしょうがないわな。
で、車内の3人は放送中の「おんな城主 直虎」をほとんど見ていなーい。
お祭りがあるとなると、なんだかいろんな美味しいものにありつけそうな期待がふくらみまする。
さんぽの計画としてはまず、笠間に到着したらお金のかかるお参道の駐車場は避けて、笠間城(つか下屋敷か)周辺に無料で駐められるところを探し、徒歩でお稲荷さんなど回ろうということに。
というわけで
駐車も兼ねる「笠間藩下屋敷跡」とうちゃく〜(地図)。
お城自体は1200年台にこの地の笠間の殿さまが建てて、380年後に笠間がほろびて殿さまがいろいろ変わるんですが、1600年代にわれらが浅野長重が藩主について、政務のつごうで本丸じゃなくここに下屋敷を建てて落ち着いてたそうです。
大石内蔵助のひいおじいちゃん良勝(よしかつ)がこの笠間城主・浅野長重のご家老になるんですが、浅野と大石の関係はここからスタートするんですね?
代々の主従なのですねえ。それを考えると、やっぱ討ち入るわなぁという想いがいたします。
うん。なかなかルーツをたどる旅ですな。
▲そういうわけで大石内蔵助像。
でも、同じ内蔵助と言う名でもご家老の良勝の
やしゃご?である忠臣蔵の良雄(よしたか)。
でまぁ〜
こちら下屋敷跡はのイチョウがもう、良い黄色になってましてねーっ。
ひろびろした敷地内に観光客の姿も殆ど無く、隣接する小さな公園でおじさんがひとりで稽古してる津軽三味線の音色が遠く聴こえてて、たいへん気分が良い。
ギンナン踏まないように気をつけながら坂を降りてお稲荷さん(菊まつり)方面へ向かいます。
(ちなみに、前回と今回の茨城旅はこの10年でもっともドングリを見た日となりました。こちらもだったんですが特に勝田家の墓はドングリじゅうたんでした。)
で!
下屋敷御殿のすぐ下に、あるんですなあ。
大石邸跡が。(地図)
▲良勝と、その息子の良欽(よしたか)が住んでた。
山道を参りますと、特にテキ屋さんが露天を展開してるわけでもなく、ご当地のお店が通りかかるお客さんに声をかけております。
うちの地元の祭もそうですが最近はテキ屋さんの出る幕が少なくなりましたな。
(後述のお稲荷様には唐辛子売や野菜、焼き物=笠間焼などの露天がでている)
▲参道。この先、右がお稲荷様。
昼時分のせいか食べ物やさんに目が行くんですが、おまんじゅう屋さんがちらほら。
くるみまんじゅう、ですって!
(むかし、ここいらは胡桃の密林があったそうです)
で、おいなりさんですよね!やっぱし!
油揚げメシ!(<この言い方気に入ってる最近)
ごはんのあと、おやつで帰りに買って帰りましょう。
蕎麦屋もよく目につくんですが、どこ入る?三左衛門さん。
三「せっかくだから忠臣蔵ゆかりということで
笠間義士会御用達のお店に参りましょう」
んあ〜。そういうところがあるんですね。
しかし日本各地に「義士会」があるんですなあ。
三左衛門さんが一度行ったことがあるというその店は、目的地の笠間稲荷神社さんをいったん通りすぎて参ります。
13時頃になってましたかな。
そのお店=つたやさんに入るとお客さんはみっちりでしたが、すぐに席に案内してもらえました。
▲を〜たしかに看板が!
「笠間義士会そば講處」とあります。
…で、どういったゆかりなん?
すでにいくつかの人気メニューはソールドアウト。
あたしと三左衛門さんは鴨南蛮食べたんですが(なっかなか出てこなかった<個人の感想です。)、とわさんがきつねそばをたのんで、
だよなあっ!と反省。
うっかり鴨たのんじゃったけど(アヒルだそうですな)、お稲荷様お参りに来たらきつねを食えよ!俺!
あと、最後まで迷ったのが「そばいなりずし」
食べりゃあよかった。(ちょっと値が張った)
なんかね、この3人組で居ると、史跡以外にガツガツしてないんですよね。
お墓を見るときは顔にクモの巣がへばりつこうがクツが泥だらけになろうが粗悪な道路だろうが他人に怒られようがガツガツ行くんですが、そばいなりずしは食べない。
笑っちゃう。
さっ
腹もできたし、来た道もどって神社散策!
▲通称:「胡桃下稲荷」(くるみがしたいなり)
(地図)
日本三大稲荷神社なんですから。
はぁもう、境内はそこかしこに菊が飾ってあってかわいいです。
季節ごとの花を楽しむという日本人の習慣、ほんとかわいい。
いつもやってるのか今年の特別なのか、「假屋崎省吾の世界展」なるもよおしもやってます。
入場料1000円。
菊人形展は800円ですが、假屋崎先生のチケットを買えば1000円で両方が見られるお得券。
…ということがどれほどギャラリーに伝わっていただろう。
假屋崎先生に1000円。菊人形にさらに800円かかると、あたしも勘違いしてましたもん。
いや〜一般のかたがたが愛でた菊がそこら中に無料で飾られているのにどうして1800円もあらためて払えようか?と。
ともあれ花にガツガツしてない3人は、境内のそこかしこに「入選」とかぶら下げて飾ってあるたくさんの菊に、じゅうぶんお腹いっぱいになってましたので、すいません、假屋崎先生と直虎菊人形は見ませんでした。
假屋崎先生の券で菊人形も見られることをハッピ姿のスタッフさんが会場の前で声を張り上げて案内しておられました。。
イベントのむずかしさをいろいろ考えさせられました。
浅野家下屋敷の駐車場に戻る道すがら、とわさんが
「正月は人で溢れてる」
という「くるみ稲荷ずし 二ツ木」さんへ。
あたしがオーダーしている間、三左衛門さんがとなり(ほんとは民芸品屋が一個はさまる)の「胡桃饅頭 吉田屋」さんへ。
良い連携だ!
おやつだいすき!
▲街がお花だらけ 奥の赤い看板がお饅頭。
▲この日は先客が一組だけで人は溢れていなかった。
が、
くるみ稲荷すしが待てど暮らせど出てこない。
お客があたしだけでこれだけ待たされればそらぁ客であふれるわ。なんて、ごめんなさい(笑)。
こうまで待ってでも食べたい胡桃すしとは!?
(それとも、この時だけだったのかな?<待ち時間)
駐車場に戻っていお稲荷さんをただきますと、酢の控えめなシャリにいい意味でバサッとした感じの油揚げはいい甘さ。ここに胡桃のクランチーな感じと風味がほどよく混ざっててなんとも美味であります。
これはガツガツいただきたかったかな!
7つ入りパッケージをなかよく分けました。
▲くるみいなり(左)7個750円
くるみまんじゅうも控えめな甘さに胡桃の…て、あれですな!ナッツってなかなか有用ですな。
なんか、イレギュラーな美味しさが到来しますわ。
さて
忠臣蔵ドライブはここで終わり。
とわさんを送って我々も帰るかと思いきや、なぜか三左衛門さんが水戸にホテルを取ってたので一泊なんですな。
運転ありがとうございました!おつかれさまでした!
の乾杯はやっぱりやりたいですが、けっこう贅沢なスケジュール。
▲三「東へ東へ来たんですなあ」
三「あしたはどうしますか」
も「ちょっと放ってきた仕事があるんで」(と野暮な回答)
三「じゃあすぐに東京に」
夜はホテルの眼の前にある「はなの夢」なる居酒屋さんでおつかれさん会。
呑んでたら、やっぱ、せっかく水戸なんだから、水戸黄門に触れて帰りましょうや!
ということに。
お酒って、いいですな。
一夜明けて
それぞれ個室だった二人は申し合わせたように朝6時半にレストランで「おはよう」。
人生で好きなものベスト10に入る「宿泊施設の朝食」(どこのでも好き)をいただいてたら泊まり客はライダーばかり。
なんでも茂木でレースがあるとかで人が集まっており、現地で宿が取れなかった人達が水戸まで流れてきているという。
目の前に、もうそのままレース会場に出られる場違いなコスチュームで、化粧までがっつり決めたレースクインがふたり、ジャンバーだけ羽織って朝食をとっており、それが背後のことでなにも気づかない三左衛門さんのハナシを終始うわの空で聞いていたわたしは、彼に教えてあげてうしろを振り返らせる友情を取るか、他人の目を気にせず彼女たちに朝食を楽しんでもらうジェントルマンシップを取るかで…あんまり悩まず三左衛門さんにはなにも言わなかった(笑)。
▲ごはんにソーセージは鉄板
そてし!
いや、そしてまた三左衛門さんに運転を甘えて午前8時半頃
(出立は8時頃でした)
水戸黄門を祀っている常磐神社に到着!
…早すぎて店も宝物館も開いてない(笑)。
▲水戸光圀をアイコンとした楽しいアプローチは正しく、楽しい。
水戸光圀は忠臣蔵時代の登場人物でもございまして、赤穂事件の前に徳川綱吉の悪政を批判するような立場でドラマに登場することもございます。(お隠れになるのが赤穂事件の前年)
また助さん&角さんのユニットで有名な角さんのモデルとなった安積覚兵衛は大石無人の長男・良麿から忠義碑のライターを頼まれて断ってるとか、内蔵助のおばあさんが水戸藩でお勤めしてたなどなどのかかわり合いがなにかとあるようでございます。
(ですか?)
ていうか、前日わかれたとわさんが水戸黄門も大好きだから、来ると決まってたらお誘いして熱いところを語っていただきたかったものですわい。
そこは今後、バトンを譲るとしてここでは、とにかく神社に隣接する偕楽園(かいらくえん)が広々して素敵で、7代藩主の徳川斉昭(なりあき)が建てて一般に開放したりした(ですか?)別邸(好文亭)がなかなかようございました。
ああ、殿さまもこの景色をご覧になってたのだなあと。
墓だ祠だと興奮していましたが、
・・秋だったんですね。
中がどうだったとか、景色がどうだったとかはもう、皆さんお出かけください。
こんなちっぽけなフレームにはおさまりません。
そんなわけで明るいうちに東京に戻った私たちでございました。
(2017.1011〜12)
水戸の水戸藩主推しは観光の材料として一点勝負でブレがなく、「ここに来なきゃ他に無い」感が良かった。
赤穂義士と言いながら、墓が江戸なんだから、わたやの社長が「骨を返せ!」wと迫るのもなんとなくわかる気がする。
やすさんが新潟県・新発田に分骨されるのが許されるので、ことによると全員里帰りなんてことが!?
<余談備忘録>
東京に到着後、駐車場でゆっくり転んで
「この程度のスピードで倒れるならたかが知れとるわい」
と倒れ込みながらアクシデントをバカにしてたら、肩からぶら下げた一眼レフの上に倒れてしまい、わき腹をしたたか打ってもう、呼吸が止まるかという痛みに見舞われました。
送ってくださった三左衛門さんが心配してくれましたが、やせ我慢をしましたとさ。